彫刻

彫刻の様な、彫り出されたような、フレーズをそういう風に形容されてるベーシストがいた。
いいなぁ。素晴らしい。僕は最近どうも、自分で弾くフレーズが、ファーストフード的というか、即席というか。時間が無いわけではないんだけど、最近はデモを事前にもらったりしないで、スタジオで半分セッション的に作ってくことが多いから。
そんな中からも良い(少なくとも自分やメンバーが良いと思える)フレーズは出てくるんだけど。
もっと、それこそ瞑想のように、何度も何度もベースだけ無いトラックを聴いて、そこで鳴ってるべき音を抽出したいもんだ。初めてオリジナルでベース弾いたときは確かそんな感じだった。そして世間知らずさも相まってわりと奇抜なフレーズを弾いてたもんだ。
誰かが雑誌のインタビューで「ベースは一番最後に入れた方が、歌うフレーズになるから良い」って言ってたなぁ。まぁ、その人は全部一人でやってる人だったんだけど。
しかし、どのパートにおいても、楽器やってるからには、もっとも大事なことは「歌ってる」ことだと僕も思います。自分のベースもそうなるように心がけてる。
さっき言ったセッション的に作ってったフレーズも、勿論ずっとそのままじゃなくて、何度もやってくなかで、研磨され、精錬され、また突拍子も無い思い付きやすごくベタな盛り上がり方を加味して、変化していくんだけど。歌うように。
ベースってパートは、リズムとメロディ(ハーモニー)を繋ぐ役割だと思うんです。決して、縁の下の力持ち、とかではなくて、土台と人との間、みたいな。空気とか壁とか、インテリアとか、畳とか。んー、言葉でうまいこと言うのは難しいんですけど。
僕はそんなことを思って今日もベースを弾いたのでした。