「久しぶり」

最近よく、会う人会う人に「久しぶり」「最近何してたの?」なんて言われるんですよ。
そんなに久しぶりかなぁ?なんて思いながらも、じゃあきっと彼にとってはその僕と彼双方にとって同じだけの分量であるはずの時間の中で沢山の出来事があったのではないか、などと想像したりもして。


1)社交辞令である。


まぁ、そうだろう。たとえ仲の良い友達同士においても挨拶くらいは有り得る。「今度飲みに行きましょうよ?(行くことに対する積極性は本当はほとんど(もしくはまったく)ないけれど)」とか、「いやぁ、やっぱり坂東さん、すごいっすねぇ〜(別に、すごいのは権力的なところの方だけど)」みたいな社交辞令は僕もビビアン・スー*1 大嫌いなわけですが。しかしこの場合はそういう類のとは明らかに違う。


2)でもね、これって言われていやな気はしない。


なんだか、会わなかったしばらくの間もきっと僕のことを忘れずにいてくれたという安心のような。友情またはそれに準ずる感情の無意識下での確認のような。
きっと彼(又は彼女又はそれ(及び先に挙げたこれら3つの複数形としての対象))は僕がその間何をしていたかなんてことにはさして興味はないのだろう。それよりも今、ここで、目の前に、いるお互いの会話や関係を楽しもうとする。そのためのひとつの糸口としての典型的な質問。


3)しかしやはり自分にとってあまりに短い


期間しか経ていない気でいるのに「久しぶり」なんて言われると、「え!?こないだ会ったじゃぁ〜ん」「あぁ、あれ?あのときいたっけ?」なんて展開になると少し寂しい。つまり前回の接触を記憶されていない(もしくは瞬間的記憶の欠落――多くの場合見出しや関連情報は残っていてもファイル内容が欠落してしまう――つまりど忘れされている)という。ある程度限られた範囲の空間をお互いが共有していない時間の間も私を記憶していてくれた、どころの話ではなく、実際に空間を共有した時間のことを覚えられていない、という無惨な話。


まぁ、結局、回りくどそうで読みにくそうな文章をわざと書いてみたけれど、頭の悪さをひけらかすだけで終わる。

*1:The d.e.p.『“良薬苦口”』参照